光と色、やわらかな風景を描き出す『ターナー展』/神戸市立博物館
ターナー展に行ってきました。
美術館によく行くようになってから結構たつけど、今だ芸術の楽しみ方はよくわからない。けど、とてもきれいな絵でした。
ロンドンのテート美術館に所蔵されている、イギリス人風景画家、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの絵画の数々。子供のころからその才能を発揮して、若くしてロイヤル・アカデミー(王立芸術院)の正会員に。1775~1851年。
一番気になったのは、この言葉。
『(ターナーは)ただ景色を映すものだとされた風景画が、思考や感情に訴えかけるものだと示したかった』
ドラマティックな自然の風景を絵にすることで、自然への畏怖、荘厳な自然、そしてそれが崇高なものであるということを、人々に伝えようとしたターナー。
当時は風景画というもの自体に、価値がなかったそうです。そこで、「価値がある」と知ってもらうために、宗教画のようなワンシーンと大きな自然の力を1つの絵にまとめるなど、工夫をこらしたそう。ちなみに出世欲も高くて気に入られるための絵もたくさん。一方、戦争反対の気持ちを表してか、英国の戦争の勝利を祝うための絵に、勝利した海戦の様子を、ふらふらになった無残な戦士たちと共に描いたターナー。それ以降、王室からの絵の依頼は来なかったとか。
ターナー、やってることがかっこいい!
水彩画や油絵、色鉛筆など、色々な方法で描かれた風景。どれも優しい絵でした。中でも「青」や「茶色」の使い分けがすごくて、空と海を描いた1つの絵の中にいったいいくつの「青」が入っているんだろう、美しい装飾が施された城の内部の絵の中にいったいいくつの「茶色」が入っているんだろうと。本人は黄色が好きだったそうですが、シンプルだけど、繊細な色使いに目を奪われました。
▲城の内部の様子。光の通り道、光量が描き出されて、とても陽気で平和なひとときを思い起こさせる。’あたたかな奥行き’なんかも感じるかな
一番気に入った絵は、本当に色使いが絶妙。こんな色に包まれて生活したいなと思いました。あたたかくて、上品。美しくて、優しい。そんな絵。
【ポジッリポ通りから望むヴェスヴィオ火山とソレント半島、ナポリ 1819年】
PCじゃやっぱりきれいな色でない・・・;_;
もっとさまざまな色で描き出された絵です!心ひかれて、前から動けなかった!
〈memo〉フランスの画家クロード・ロラン(1600頃-1682)にならって牧歌的風景も描いた。クロード・ロランの絵ってどこかで出会った気がする…
わけわからん絵は本当にわけがわからなかったけど、心ひかれるものは本当に惹きつけてくる。心やすらぐ、素敵な絵画ばかりでした。